— 人との出会いに育まれ、“今”の僕はある

2007年の芸能デビュー以来、歌に芝居にシームレスに活躍するMORISAKI WINさん。「NHK連続ドラマの初主演作は、名古屋が舞台だったんです。深夜ドラマでミャンマー人留学生を演じさせていただきました。その時のプロデューサーが数年後に連絡をくださって」。ただ、懸命に向き合った現場が、思わぬ秀作への出演へと導いた驚きを話します。「同じ製作陣が大河ドラマ『どうする家康』を担当されることになり、その流れで徳川秀忠役をいただけたんです」。そして、偉大な家康の跡取りとしての苦悩を熱演し、大きな注目を集めました。「出会いに恵まれているなって思います」。それは持ち前の人柄が引き寄せた運では?「来日直後は日本語が話せなかったので、いじめられたんです。でも、結局はそのリーダー格の子と仲良くなって。その後は一番守ってくれましたね(笑)」。出会いをパワーに変えていく。それは幼い頃から一期一会を大切にしてきた森崎さんだからこそなのかもしれません。

— 人生の転機は、スピルバーグ監督作品への出演

「転機はスティーヴン・スピルバーグ監督の映画『レディ・プレイヤー1』の主要キャストに抜擢されたこと。この世界で生きて行くぞ、と覚悟を決めた体験でした。大がかりな予算の元、CGを駆使した最新技術や多様な国籍の役者が集う撮影現場は刺激的でした」。ハリウッドデビュー後、日本アカデミー新人俳優賞も受賞。度重なる大舞台を前に、緊張して実力が発揮できなかった経験などなかったのでしょうか。その答えは、近年映画監督も担った森崎さんならではの、深みのあるものでした。「緊張も実力なんです。もちろん、怖くて緊張します。でも、その緊張することが、良い演技となることがあるんです。逆に、自分で手応えを感じたって、ふるわないこともある。今の僕ではこのギャップがわかりませんが正解の無い、この世界の面白さですね」。

— マルチリンガルな歌唱力と圧倒的なライブパフォーマンス

ダンスヴォーカルのメンバーとして活動後、日本語、英語を操る巧みな歌唱力で、シンガーとしてもソロデビューを果たします。CMソングや特撮・アニメの主題歌などでファンを魅了してきました。「僕のLIVEは、なんと言うか…うん。観た方がいいです (笑)。元気になれると思うから!」。屈託なく放たれた言葉が周囲を笑いに包みながら、丁寧に言葉が繰り出されます。「会うと元気になれる人でいたいんです。だから、マイナスなことは言わない。世界は揺らいでいますよね。そんな時代だからいっそう、明るく活力ある発信をしたいです」。今年1月にリリースされた「Back to Back」も暖かくハートフルな楽曲となっています。

— 経験のすべて、意味のないことは一つもない

「実は名古屋とミャンマーはご縁があるんです」。と、切り出す森崎さん。「国内でも珍しいパゴダ(ミャンマー式仏塔)があるんです。そこでドラマの撮影もしました」。約35年前、それは森崎さんが生まれた頃。訪問先であったミャンマーの情勢を知った名古屋の尼僧が、祈りと友好を込め、仏塔建立に奔走したものだそう。「ミュージカル『SPY×FAMILY』は少年漫画でありつつ、根底には『戦争のない平和』がテーマだったりします。かつてミャンマーで起きた争いなど、僕には身近な出来事です。そんな僕だから叶うエンタメがあります」。積み重ねた経験は引き出しの多さとなり、より豊かな表現力を生みます。それはその当事者だけが持つ無二の魅力。ミャンマーで過ごした日々、日本で生きる今。全て、意味のないことは一つもないと教えてくれます。

— ひと匙の妙薬となるそんなエンタメを届けたい

「休みができると、キャンプに行きます。僕は仕事となると、あえて自分に目標を課して追い込むタイプなんですが、やはり自然の中に身を置くことで少し開放されます。満点の星空を観たり、時には激しい雨風を凌ぐことに苦労したり。自然に名前が外れ、誰もが平等でいられる。そんなキャンプが好きなんです」。ミャンマーで大ヒットした、シンガーソングライター・平原綾香さんとのコラボ曲「MOSHIMO」の歌詞にもリンクするようです。
海を渡り、いくつもの困難や経験を積み、生命力を宿してきた人。だからこそ、優しさと強さを併せ持ち、人々に明るいエネルギーを放ちます。そんな春の息吹となるミッドランドスクエアでのスペシャルライブ。昨年10月には、ラブソングをテーマにしたEP作品「LOVE SONGS」もリリース。CMソングになった「Twinkle Twinkle Little Star」など普遍の名曲も多数。あの澄んだ歌声を聴ける日が待ち遠しいです。