本店の素晴らしさを実感し、名古屋も負けていられないと奮起。

エノテーカ ピンキオーリ 料理長 腰高一幸さん


— ミシュランガイドに掲載された感想をお聞かせください。
率直に、うれしく思いました。しかし、フィレンツェの本店は三つ星を獲得しているので、本店の素晴らしさを実感するとともに「名古屋も負けていられない」と奮起する気持ちもあります。これから、もっと上をめざしていきたいと思います。

— 今回初めて店を知った方に向けて、これからの季節にぜひ味わってほしい料理はございますか。
当店の魅力の一つ、ワインとのマリアージュは、ぜひともお試しいただきたいと思います。イタリアの秋の味覚といえば、ポルチーニ茸。年ごとに個性がありますが、今年は前菜、スープなど、さまざまな料理でポルチーニ茸のおいしさを多角的に堪能していただけるコースも考えています。イタリアのフレッシュなポルチーニ茸の風味や味わいと、極上のワインが奏でるハーモニーをお楽しみください。ソムリエにおすすめのワインをお尋ねいただければ、料理に合わせてご提案いたします。

— 新メニューはどのように考案していますか。
当店で心掛けているのは、食材そのものを生かした調理法。一つの皿にあまりたくさんの食材を使わず、シンプルに仕上げます。
食材は、イタリアに負けない魅力を持つ日本の食材を常に探しています。三重県の鹿肉など、名古屋店に来てから初めて知った食材も。だからこそ、この土地ならではのいい食材に出合った時、「もっと食材のよさを出せる調理法があるのではないか」という思いはいつも持っています。
食材を決めたら、本店からの意見を取り入れながらレシピを完成させていきます。毎年、3月と11月にフィレンツェからシェフが来日して実際に試食をしますので、春、冬のメニューは特に気合いが入ったものばかり。産地から取り寄せるとっておきの食材を生かした料理にご期待ください。

今回の掲載はスタートライン。さらに上の評価をめざしたい。

オーベルジュ・ド・リル ナゴヤ 料理長 中廣太一さん


— ミシュランガイドに掲載された感想をお聞かせください。
フランス料理人にとって、ミシュランガイドは特別な媒体です。歴史と権威のあるガイドブックであり、世界中に与える影響力もとても大きい。ミシュランガイドの評価は、世界基準としての星の評価です。フランスの星付きレストランと同じように認められたことは、とてもうれしく思います。
今回、ミシュランガイドで一つ星をいただいたことは、当店にとっての新たなスタートラインになると感じています。一度掲載されたからには、さらに上をめざして技術を磨いていかなければならない、と身の引き締まる思いです。

— 今回初めて店を知った方に向けて、これからの季節にぜひ味わってほしい料理はございますか。
やはり、本店では味わえない「オーベルジュ・ド・リル ナゴヤ」ならではの料理を味わっていただきたいと思います。例えば、伊勢のアワビと、リルのスペシャリテであるフォアグラを組み合わせた一皿。アルザス本店と一緒に「東海ならではの名物料理を作りたい」と試行錯誤して完成した、当店だけの夏のスペシャリテです。7月から夏メニューが始まりますので、どうぞお楽しみに。

— 調理をするうえで、大切にしていることは何ですか。
まずは食材、そして火入れ、最後に味付け。この3つをベースに料理を作っています。これは、アルザス本店から伝えられた「オーベルジュ・ド・リル」の極意。当店でも徹底しています。アルザス本店のエスプリを、名古屋の皆様にも感じていただけると思います。
一方で、当店は「レストラン」でありたいと思っています。レストランとは、料理だけでなく、サービスや空間も含めて、ここで過ごす時間を楽しめる場所。ご来店くださった皆様には、地上42階という素晴らしいロケーション、上質なダイニング空間を楽しみつつ、王道のフランス料理を味わっていただければ幸いです。

地域の一員となれたことを実感。応援してくださる皆様に感謝。

京都吉兆 名古屋店 料理長 藤山聖さん


— ミシュランガイドに掲載された感想をお聞かせください。
まずは、東海エリアに初めてとなるミシュランガイドが誕生したことを、とても喜ばしく思っています。名古屋を始めとした東海エリアにはこれほど素晴らしいレストランがあることを、改めて多くの方が知るきっかけになりました。
そういったなかで京都に本店を持つ当店が星付きの評価をいただいたことは、「京都吉兆 名古屋店」が東海エリアの店舗として認められた思いです。オープン以来、ご来店くださるお客様、生産者の皆様、地域の皆様といった関係者の皆様に支えられてまいりました。いつも応援してくださる皆様への感謝とともに、東海エリアの一員となれたことを実感する出来事でした。

— 今回初めて店を知った方に向けて、これからの季節にぜひ味わってほしい料理はございますか。
6月下旬にアユ漁が解禁されると、当店にも天然のアユが入荷します。京都吉兆では、必ず生きたアユを仕入れ、注文をいただいてから串打ちして塩焼きにしています。名古屋店では、長良川水系の吉田川や馬瀬川から毎朝仕入れています。吉田川や馬瀬川の天然アユは、嵐山本店でも味わえない名古屋店だけの料理。毎年、多くの方が楽しみにされています。
また、名古屋店は海が近いため、魚介類も新鮮で品質のよいものが入荷いたします。今でしたら三河湾のトリ貝、これからは伊勢湾のイガウニもおすすめです。

— 京都吉兆 名古屋店の今後について、お聞かせください。
いい食材を入手することは本当に大変なことです。幸いにも、当店には「いい食材をいい状態で仕入れたい」という思いを支え、応援してくださる皆様に恵まれました。今まで受けてきた恩を返すために、食を通じてメッセージを発信し続けたいと思っています。メッセージとは、第一次産業活性化。「生産者の方々のこだわりと思いが詰まった最高の食材は、最高のものとして扱いたい」「少しでも食材の価値を上げたい」。そんな思いで、私たち料理人は日々研鑽を重ねています。
京都吉兆では、料理を味わうだけでなく、日本文化を体感していただくことが大切と考えています。季節のしつらえ、おもてなしの心で、初めてのご来店でも、何度ご来店いただいても、その都度、器や料理を変えています。いつも新しい発見と料理の楽しみを味わっていただくことで、日本の文化に浸るひと時を過ごしていただきたいと思っています。

日本人のお客様に、香港・広東料理の真髄をお届けします。

中国飯店 麗穂 料理長 熊志輝さん


— ミシュランガイドに掲載された感想をお聞かせください。
とても光栄なことだと思っています。料理人に対する最大の激励であり、お客様のご要望に最もふさわしい料理を出していく覚悟です。
16歳で料理人としてのキャリアをスタートさせ、香港、マカオ、上海、日本と各地で腕を磨いてステップアップしてきました。更に精進して、二つ星、三つ星をめざしてまいります。

— 今回初めて店を知った方に向けて、これからの季節にぜひ味わってほしい料理はございますか。
当店では中国料理の基本の味、その組み合わせ、見栄え・盛り付けを大切にしています。四季を通じて季節の食材を使い、日本人のお客様に香港・広東料理の神髄を味わっていただきたいと思っています。
北京ダックは、麗穂の得意料理の一つ。火力の強い焼き窯で、パリッと香ばしく仕上げます。また、フカヒレの姿煮込みや、秋の上海ガニなど、中国飯店のスペシャリテもぜひお召し上がりいただきたいメニューです。

— 今後、「中国飯店 麗穂」をどのような店にしていきたいと思いますか。
愛知、名古屋の食材を巧みに取り入れ、香港・広東料理と上海料理を融合させた調理法が当店の真骨頂。地産地消を実践しつつ、香港・広東、上海の現地で食事をしているような感覚を感じていただけるよう、チャレンジしていきたいと考えています。
また、海外で働いている香港人料理人として、世界中でおいしいと知られている香港・広東料理の魅力を日本人の方々に体感していただき、幸せを感じてほしいと思っています。