30代のトンネルを抜けたら軽やかになった40代

スタイリストであり、エディター、企業とのコラボレーションやプロデュースなどいくつもの肩書きを持つ大草直子さん。自らスタイリストと名乗ったことはなく、独立した最初の名刺には名前を印刷しただけで、仕事の幅を自分で狭めることはせず、オファーが来た仕事をするうちに自然と周りが決めてくれたそうです。
ただどんな仕事でも大草さんの中には “伝える”がベースにあって「ファッションでもライフスタイルでも自分が知っている情報、経験したことは全部教えてあげたい。伝えたい」といいます。
仕事のステージが変わったとしても“伝える”ということに変わりはなく、ブレることがありません。ブレない人はとても潔くて、そんな大草さんの生き方もファッションも女性の憧れなのです。
確かにインタビュー中も大草さんは「何でも聞いてね」と、どんな質問も理路整然と答え、こちらは腑に落ちることばかりで、心なしか晴れやかにすっきりした気分になりました。それゆえ迷いをかかえてモヤモヤしている世の女性たちは大草さんの言葉を直接イベントで聞きたいし、文章を読みたいのでしょう。
そんな大草さんも30代までは波乱万丈な人生だったそうです。フリーランスで仕事をしながら、離婚、再婚、3人の子育てを経験、無我夢中の毎日。おしゃれもこれまで似合っていたものが全然似合わなくなる、何を着たらよいのか迷った時期とも重なります。30代後半になってその迷いからも抜け出せたのは、「人と比較しない」「自分を認める=自己肯定してあげる」そしてそれが似合わなくなったならば「手放してみる」ということでした。すると生き方もおしゃれもとてもラクになったそうです。
「例えば私の場合、杢のトップグレーのVネックが似合わなくなったの。だったらそれは諦めてダークグレーか黒のタートルを着てみる。そうしたら今まで派手になり過ぎていた赤い口紅が急に似合うようになったわ。一つ手放せば、一つまた手に入ると思えば毎日がとても楽しい」と語る大草さん。
さて仕事などで名古屋に来る際にはミッドランド スクエアにも足を運ぶという大草さんのお気に入りのショップについて聞くと「デザインワークスは大人の甘さのさじ加減が上手。ライフスタイルグッズもあって心も豊かになります。マルティニークはオリジナルがインポートと遜色なく、小物のセレクトも素敵なのでカジュアルもラグジュアリーもおしゃれが楽しめます。ドゥロワーはとにかくセンスがよく、東京、大阪、名古屋でセレクトが違うし、同じアイテムでもコーディネートが全く違うのがとても面白い」あとは「スカイレストランの中華にマヤ(次女)と行ったわ」と忙しい日々でも家族と過ごす時間も大切にしています。

家族が集うクリスマスは大切なひととき

子供が大きくなると全員が揃う事も難しくなりますが、クリスマスは家族で過ごす貴重な時間のひとつだそうです。中でも想い出に残るクリスマスは「夫がクリスマスにサプライズでプロポーズをしてくれたんです」「夫は私の家族の前できちんとしたかったみたいなんだけれど、突然で両親はびっくり、私は号泣、妹はなんで今?と、本当に忘れられないクリスマスになりましたね」「今年は長男、次女は夫と夫の両親と海外で、私は長女の受験次第かな?」と今からクリスマスが楽しみのようです。
最後に「“自分が一番好きと言える自分になって”ほしい。子供たちにも唯一伝えていることですが、自分で自分を認めてあげてください」というメッセージをいただきました。
仕事もプライベートも充実し、成熟した大人の女性のお手本のような大草さん。仕事もおしゃれもしなやかに、自然体で人生を楽しんでいる大草さんが、これからの5年、10年後に私たちにどんなことを伝えてくれるのか、今から楽しみです。

スタイリスト、エディター
大草直子さん
Naoko Okusa

1972年生まれ。大学卒業後、婦人画報社(現ハースト婦人画報社)に入社。雑誌「ヴァンテーヌ」の編集に携わったのち独立。スタイリスト、エディターをはじめ、広告のディレクションやイベント出演、執筆など精力的に取り組む。2015年よりWEBマガジン「mi-mollet(ミモレ)」の編集長、2018年7月にはミモレのコンセプト ディレクターに就任。プライベートではベネズエラ人の夫と3人の子供を持つ。